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| 北病院だより >> No.20 (2007/03) |
ぼけない予防 |
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年をとるとどうしても呆けやすくはなりますが、いくら年をとっても少しも呆けない人もいます。
一般的には頭をよく使ってきた人は呆けにくいと言われます。しかし高学歴の人、学者でずっと頭を使ってきた人でも、高齢になると呆けてしまう人、学歴もなく、特別に頭脳労働をしてきたわけでもないが、高齢になっても呆けない人もいます。その違いは何なのでしょうか。
前者は脳の一部分をよく使って非常に発達させてきたのに、全体を使っていなかった。後者は特に一部分の脳を発達させたわけではないが、頭全体を満遍なく使ってきた人で、ここに大きな差が出てしまうようです。
脳の一部分だけいくら発達させていても、全体のバランスが悪く、ちょっとしたきっかけで全体が簡単に崩れてしまう。大脳皮質の前頭葉、運動野、感覚野、連合野、その他すべての大脳皮質、右半球も左半球も均等に頭は使うべきなのです。いろいろなことに常に新鮮な興味を持ち、脳全体を使う生活こそ、いつまでも呆けないためには大切なのです。
脳は使えば使うほど発達し続けるといわれます。脳が何かに興味を示している時、脳波上にθ波リズムが現れます。このリズムは記憶に関係する海馬の神経回路を柔軟にし、脳の感受性を高い状態に保つといわれます。ウサギのθ波に関する実験によると、θ波が出ている時に学習すれば、若いウサギでも、年老いたウサギでも歳には殆ど差がなく、ともに優秀な学習効果を示しています。つまりθ波が出ているときに学習すれば、年をとったウサギでも、若いウサギの脳と同じ性能を持っているわけです。
この実験から海馬の性能そのものは年とは関係がなく、これは人でもほぼ同様と考えられています。
「最近年をとったので、記憶力が衰えた」というのは間違いで、年をとって変わってくるのは主にθ波の出方のようです。常に何事にも興味、好奇心、探索心を持っているかどうかの問題です。
年をとると、「そんなことはやらなくても分かっている。どうせ、この前と一緒だ。」という気持ちがあり、新しいことにチャレンジせず、日々の生活や出来事に新鮮な興味を持たず、マンネリの生活を続けているためにθ波がただ出にくくなっているだけなのです。その点、子供は日々の生活がいつも新鮮で、生きることに慣れてしまった大人と違い、θ波がボンボン出ているため学習能力、即ち記憶力などが優れていると考えられます。
一方、多くの政治家は高齢でもかくしゃくとして呆ける人は少ないようで、叩かれても叩かれても潰されることなく、立ち上がってくるあの図太さと、ストレスを脳の糧としているようなあのたくましさが、常に脳を刺激しているのかもしれません。一般庶民にはなかなか身に付け難い能力ですが、この種の刺激も脳にとって若さを保つためにあるいは有益なのかもしれません。 |
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